判例(オーバローンとなっている自宅以外の財産分与対象財産がある場合に、「自宅と他の財産とローンを通算して財産分与を計算する。」という考え方と、「自宅を0価値として、ローンを考慮せずに他の財産について財産分与を計算する。」という考え方があるところ、前者の考え方が妥当とされた。)
2026/02/01 更新
このページを印刷財産分与
1 原則
(1)財産分与の景観については、借金(消極財産)がある場合には、(積極財産-消極財産で計算した金額)の2分の1の金額で計算することになります。
2 オーバーローンの自宅
(1)オーバローンとなっている自宅以外の財産分与対象財産がある場合に、「自宅と他の財産と住宅ローンを通算して財産分与を計算する。」という考え方と、「自宅を0価値として、住宅ローンを考慮せずに他の財産について財産分与を計算する。」という考え方があるところ、前者の考え方があります。
(2)積極財産と消極財産を公平に分担する。財産分与の原則的な考え方をすれば、「自宅と他の財産とローンを通算して財産分与を計算する。」という考え方となります。
(3)住宅ローンは住宅を取得するための費用であるから、これを取得する者が負担すべきであると考えれば、「自宅を0価値として、住宅ローンを考慮せずに他の財産について財産分与を計算する。」という考え方となります。
(4)実務的には、「自宅と他の財産とローンを通算して財産分与を計算する。」という考え方を原則として、個別の事情によって、「自宅を0価値として、住宅ローンを考慮せずに他の財産について財産分与を計算する。」という考え方が採用されています。
3 「自宅を0価値として、住宅ローンを考慮せずに他の財産について財産分与を計算するべき場合」
以下の場合には、 「自宅を0価値として、住宅ローンを考慮せずに他の財産について財産分与を計算するべき場合」とされることになるでしょう。
当事者双方が自宅の取得を希望し、住宅ローンを負担しても自宅を取得する利益があるとき
当該不動産が収益物件として利用されているとき(ローンはその収益から支払われるべきであるから)
他の財産が退職金のみで、退職金からローンを返済することが予定されていないとき
参考
松本哲泓「離婚に伴う財産分与-裁判官の視点にみる分与の実務」143頁以下
東京高判令和6年8月21日
(1)オーバローンとなっている自宅以外の財産分与対象財産がある場合は、「自宅と他の財産とローンを通算して財産分与を計算する。」という考え方が原則であり、特段の事情があれば、「自宅を0価値として、ローンを考慮せずに他の財産について財産分与を計算する。」という考え方を採用することがありえる。
(2)本件では、前者の考え方が妥当とされた。
東京高判令和6年8月21日
判例タイムズ1539号60頁以下






