判例(違法な著作権侵害申告によって、動画が削除された。これによる損害について、動画を他人に見てもらえる権利は保護されるべき権利とは認められず、動画が削除されたことで失った収益のみが損害として認められた。)
2025/08/11 更新
このページを印刷東京地裁令和6年2月26日
1 事案
(1)XはYouTuberとして活動しており、動画を投稿していた。
(2)Yが著作権侵申告をしたために、Xの動画が削除された。
(3)XはYに対し、虚偽の事実を告知して動画を削除されたとして、損害賠償請求をした。
2 判決
(1)Xは、「他人に動画を見てもらえる、という人格権(人格的利益)が侵害された。」と主張したが。
裁判所は、同権利については保護されるべき権利とは認めなかった。
(2)動画が削除されたことで失った収益2万円弱のみを損害として認めた。認められた
東京地裁令和6年2月26日
判例タイムズ1533号223頁
解説
(1)著作権者の人格的利益は、著作権法により規定されている。したがって、法令上の規定のない著作権者の人格的利益は本来的には抑制的に解されるべきである。
(2)このため、他人に動画を見てもらえる、という人格権(人格的利益)が否定されました。