別居と荷物の持ち出し②　（立ち会わない場合）

離婚と荷物の運び出し

（１）相手方が、自宅を飛び出した。離婚を前提に、荷物の運び出しを求めてきました。
（２）相手方が自宅に来て荷物を持ち出すことについて、立ち会いを希望しない場合もあります。
（３）そのような場合の注意事項を検討しましょう。

貴重品の避難

（１）まずは、貴重品を実家等に避難させましょう。
（２）印鑑、通帳、カギ、契約書、ブランドバック、高級時計等、無くなって困るものは避難させましょう。
（３）離婚時には、相手方の財産を知っとかないと不利になる。というこおで、郵便物、通帳、保険の証書、株の証書、給与明細等を持ち出す動きもあります。これらもできれば、避難させましょう。

家具や家電等の持ち出しは覚悟する

（１）相手方が、私物を持ち出す際に、家電を持ち出すことはよくあります。
（２）仮に、忙しく、荷物の持ち出しに立ち会わないことを選択するのであれば、これらは覚悟をすべきです。

日程を協議する

（１）相手方が、荷物を取りに行く日を協議する必要があります。

（２）例えば、ベット等を持ち出す場合には、引っ越し業者の手配が必要になります。その場合には、見積もりと、運び出しの２度に分けて、自宅に行く必要が出てきます。

（３）引っ越しの日程は１日ではなく、２，３日の設定が必要なることがあります。

持ち出す物品のリスト

（１）運び出す荷物について、所有権に争いがあるか確認が必要です。
（２）まずは、何を持ち出す予定なのか、箇条書きして送ってもらいましょう。
（３）夫婦の共有財産（二人のお金で買った家具や、家電）についても、持ち出しを許可するのか、許可しないかも告げておきましょう。

例

　◯◯様が、何を持ち出す予定なのか、箇条書きでお知らせ下さい。
（家電等の持ち出しもかまいませんが、事前に教えて下さい。）

立会人等を確認する

　荷物の運び出しは重労働であり、複数人が自宅に入ることが予想されます。しかし、誰でも自宅に入れてよいわけではありません。誰が来るのかは、聞いておきましょう。

例

　◯◯様が、自宅に入られる時間帯と日程とどなたと来られるのか、教えて下さい。

　基本的には、荷物を引き上げに立ち会わない予定です。
　その代りに、誰が自宅に入られるのか、事前に教えて下さい。

持ち出し方法を確認する

（１）ベット等を持ち出す場合には、引っ越し業者の手配が必要になります。その場合には、見積もりを運び出しの２度、自宅に行く必要が出てきます。
（２）業者ではなく、友人だけで運び出しを計画している場合には、搬出中にぶつけたりする可能性があります。

例

　◯◯様は、大きな荷物等を運び出さない、ということでよいでしょうか。

　大型の荷物を運び出す場合には、業者等にお願いするして下さい。事前に、業者にお願いして荷物を搬出する予定なのか、見積書等を事前にお送り下さい。

　素人だけで大きな荷物を運び出そうとすれば、搬出の際に他の家具や設備を傷つける可能性があります。紛争拡大を防ぐ趣旨ですので、この点は理解下さい。

持ち出しの時間

（１）荷物の運び出しの予定時間を聞いておきましょう。

（２）時間が分かれば、何時から何時まで留守にすればよいのか、明確になります。

（３）作業が終わったら、電話してもらうようにお願いしてもよいかもしれません。

例

　◯◯様が荷物を運び出す時間が具体的に決まればお知らせ下さい。

　その時間、当方は自宅に近寄らないように配慮させて頂きます。

運び出した荷物の確認

（１）いつ、誰が、どんな荷物を持ち出したのか、確認した方がよいでしょう。

（２）運び出した荷物について写真を送ってもらうようにお願いしましょう。

例

　◯◯様が荷物を運び出した荷物について写真を撮影して、これを送って下さい。

　後日の紛争を避けるために、いつ、誰が、どんな荷物を運び出したのか、記録しておくべきと考えます。お手数けますがよろしくお願いします。

ルールの確認

（１）立ち会いをしない場合には、運び出しのルールについて文書で確認しておきましょう。

（２）運び出しの直前に、今まで決まったルールについて文書で送っておきましょう。

例

◯◯様

当方は、以下を条件として、荷物の運び出しを承諾しました。

トラブルの防止のために、以下を守って頂きたいと考えます。

日時

　◯月◯日　◯時から◯時

立会人

　引越し業者と◯と◯が自宅に入る

運び出す物

　◯◯

　なお、追加で運び出したいものがあれば、◯◯に電話して協議するものとする。

（紛争予防の観点からは、意見の一致をみなかったものは後日協議として、）

運び出しの条件

　大型の荷物は業者を使って運び出す。

　素人で大型の荷物は運び出さない。（素人で大型の荷物を運び出すと、破損や怪我の原因となります。）

運び出し後の報告

　運び出し後に、運び出した荷物については写真撮影して報告する。