当事者が養育費の金額を合意しているとき
2024/11/14 更新
このページを印刷当事者の合意
義務者が養育費を支払わない場合、当事者が金額について合意している場合と、金額が決まっていない場合では、裁判手続が異なります。
詳しく解説をお願いします!
1 金額の合意
婚姻費用や養育費の金額は、夫婦の合意で決めることができます。
2 不払いの場合の訴訟手続
当事者が合意書等で、養育費の金額を具体的に決めているときに、義務者がこれを支払わない場合には、家庭裁判所に対する審判手続ではなく、地方裁判所(もしくは簡易裁判所)に対する民事訴訟を提起すべきです。
令和5年5月25日 東京高裁
参考
判例タイムズ1522号118頁
解説
1 手続の選択
養育費等の金額が決まっていないときには、家庭裁判所に対する調停手続(調停手続が不調になれば、審判手続)を申し立てなければなりません。
これに対して、当事者が合意書等で、養育費の金額を具体的に決めているときに、義務者がこれを支払わない場合には、家庭裁判所に対する審判手続ではなく、地方裁判所(もしくは簡易裁判所)に対する民事訴訟を提起すべきです。
2 家庭裁判所の調停手続の運用
当事者が合意書等で、養育費の金額を具体的に決めているが、相手が払ってくれないときは、家庭裁判所の朝て手続を利用できるか。この場合、家庭裁判所はこれを拒否したりせずに、調停手続において解決を図ろうとしてきたのが現在の運用です。
3 家庭裁判所の審判手続
これに対して、当事者が合意書等で、養育費の金額を具体的に決めているが、相手が払ってくれないときにm、家庭裁判所の審判手続が利用できるか。この場合には、家庭裁判所に対する審判手続は利用できません(却下されます)。同請求は、地方裁判所(もしくは簡易裁判所)に対する民事訴訟を提起すべきです、ということになります。