日本知的財産仲裁センターと、JPドメイン名紛争処理
2023/10/15 更新
このページを印刷JPドメイン名紛争
(1)裁判手続にて、違法にドメイン名を登録した者に請求できるのは、不正競争防止法に基づく使用差止請求までです。ドメイン名の登録取消や移転を行うことはできません。
(2)そこで、日本知的財産仲裁センターに対し、違法にドメイン名が登録されているとして、登録の取消または自分が正当な権利者であるとして登録を自分に移せという裁定の申立をすることが考えられます。
申立人の立証すべき事項
申立人は以下を立証しなければなりません。
(1)登録者のドメイン名が、申立人が権利または正当な利益を有する商標その他表示と同一または混同を引き起こすほど類似していること
(2)登録者が、当該ドメイン名の登録についての権利または正当な利益を有していないこと
(3)登録者の当該ドメイン名が、不正の目的で登録または使用されていること
審理の期間
(1)申立書の受領から原則として57営業日以内に裁定を行うことになっています。つまり、申立から3か月以内に採決がでるイメージです。
(2)申立の費用は以下のとおりです。
https://www.ip-adr.gr.jp/business/domain/cost/
裁定の効力
「移転または取消」の裁定が下った場合に、ドメイン名登録者がこれを不服として裁定の通知後10日(営業日)以内に管轄裁判所に出訴しない限り、日本レジストリサービス(JPRS)により、申立人への登録の移転又は登録の取消が行われます。
https://www.ip-adr.gr.jp/business/domain/flow/
裁判所への出廷
(1)いずれの当事者も、JPドメイン名紛争処理手続お開始前、継続中を問わずに、いずれも当該ドメイン名の登録に関して裁判所に出訴することができます(自由と正義2023年4月等20頁)。
(2)訴訟の形としては、登録ドメイン名使用権確認請求やドメイン名使用差止請求権不存在確認請求などの訴えが考えられます。