自筆証書遺言の書き方①
2024/08/27 更新
このページを印刷自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言を書く人が、遺言書全文、日付、名前を自分で書いて、押印することで作成する遺言です。
(サンプル)
遺言書
私は、私の所有する一切の財産を、私の長女である〇〇〇(昭和57年〇月〇日生まれ)に遺贈する。
令和6年〇月〇日
住所
名前 印
全文の自筆
自筆証書遺言を書く場合には、遺言書(全文、日付、住所、名前)を全て自筆で書かなければなりません。
自筆洋書遺言を書く場合には、印鑑を押印する必要があります。
複雑な遺言の禁止
自分で遺言を書く場合には、法律の要件を満たしていないとして、無効となる可能性があります。
逆に複雑な遺言は専門家のアドバイスを求めた方がよいでしょう。
そして、複雑な遺言を書く必要性があるケースの多くは公正証書遺言を書くべきケースとなります。
用紙の選択
用紙の決まりはありません。A3、A4の白い紙でもよいでしょう。
筆記用具の選択
筆記用具の決まりはありません。筆、万年筆、ボールペン等消せない道具でき記載する必要があります。
表題は「遺言書」
表題に決まりはありませんが、遺言書であることが分かるように、「遺言書」と書きましょう。
「相続させる」「遺贈する」
形式不備をさけるために、遺言書の文言は、テンプレートの文言をそのまま使います。
相続人(例えば、自分の妻や息子)には、「〇〇の土地を相続させる」と書きます。
相続人以外(例えば、自分の面倒を見てくれた息子の妻)には、「〇〇の土地を遺贈する」と書きます。
遺言で使ってよい言葉は、「遺言、テンプレート」で検索した記載例をそのまま使います。
日付
自筆証書遺言を書く場合には、日付を自筆で書かなければなりません。
日付を特定できればよく、例えば、自分の80歳の誕生日という記載でもよいとも言われています。
しかし、「令和3年〇月〇日」もしくは、「2021年〇月〇日」としっかりと日付を書きましょう。
住所
法律上は、「住所」を記載する必要はありません。しかし、住民票上の住所を正確に記載する必要があります。
例えば、銀行に書類を持っていった場合、銀行からすれば、同一同名のAさんの預金が複数存在する可能性があります。トラブルにならないように、住民票上の住所を正確に記載する必要があります。
例えば、銀行等は本人確認の際に住民票等の提出を義務付けます。(運転免許書も、住民票の住所が記載されているはずです。)あくまで、銀行等は、住民票上の住所を、当人の住所として取り扱っています。
心配なケースでは以下のように記載します。
住民票の住所 〇〇
現在入院している施設 〇〇
名前
自筆証書遺言を書く場合には、名前を自筆で書かなければなりません。
遺言を書いた人を特定できればよく、通称名、ペンネーム、氏、名前の一部でもよいとされていますが、戸籍上の氏名を全てしっかりと書きましょう。
通称名がある場合には、以下のように記載します。
山田花子(通称名)こと西田徹(戸籍上の名前)
押印
自筆証書遺言を書く場合には、印鑑を押印することが必要です。なお印鑑は、実印である必要はありません。
指印でも有効と認めた判例もありますが、問題となるようなやり方はお勧めできません。
封筒
法律上は、遺言を封筒に入れる必要はありません。しかし、汚れを防止したり、変造等がないことを明らかにするために、封筒に入れるのが一般的です。
①遺言書と分かるように、封筒に「遺言書」と書きましょう。
②封筒のどこかに、作成した日付と、遺言者の名前を書きましょう。
③封筒に封をして、「〆」を記載するか、印鑑を押して、封をしましょう。
なお、①②③は遺言の有効・無効と無関係です。一般論としてこうしておいた方がよいという程度です。
遺言の訂正
遺言を書いていいる最中にミスを見つけた場合には、一定の形式を守れば訂正できます。
やりかたは、インターネットで、「遺言 訂正」を検索して下さい。
訂正の方法は細かい決まりがあります。したがって、全部書き直した方が簡単です。