Q 引渡し(占有の移転)について教えて下さい。
2025/12/03 更新
このページを印刷引渡し(占有の移転)
(1)占有とは、事実上の支配状態といいます。
(2)AさんからBさんに占有を移転させることを引渡しといいます。
現実の引き渡し(民法182条1項)
(1) Aさんがお店で管理している商品を配達して、Bさんの家に届ける。
(2) この場合に、AさんからBさんに商品が移動します。
簡易の引き渡し(民法182条1項)
(1)Aさんが、Bさんに、ある道具を貸していました。
(2)BさんがAさんに、その道具を売ってほしいと頼み、Aさんは了承しました。
(3)この場合には、Bさんのところにある商品(道具)は移動しませんが、当事者の意思だけで、引渡しが行われます。
占有改定(民法183条)
(1)占有改定 (民法183条)は、売主などが売却後も引き続き商品を占有し続ける場合に、売主が今後は、買主にためにそのものを預かっているという意思表示を示す形の占有の移転です。
(2)例えば、ピアノを購入したが引渡し日までにピアノ屋さんが預かっているような状態を意味します。
指図による占有移転(民法184条)
(1)指図による占有移転(民法184条)は、売主が、倉庫業者(第三者)に保管してもらっている商品を売却し、「今後はその商品の所有者が買主に移転し、その買主が取りに来たときには、買主に引き渡してほしい」と倉庫業者(第三者)に連絡した場合の、占有の移動(引渡し)です。
(2)この場合には、倉庫業者(第三者)が承諾した場合に、占有の移転となります(民法184条)。
| 民法182条 現実の引渡し及び簡易の引渡し 1項 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。 2項 譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。 民法183条 占有改定 代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。 民法184条 指図による占有移転 代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。 |






