Q 抵当権とは何ですか。
2025/12/07 更新
このページを印刷抵当権
(1)抵当権は、金融機関(=債権者)が融資をする際、不動産に設定をする権利のことです。
(2)抵当権者は、債務者が債務不履行した場合に、抵当権が設定されている不動産を売却し、その売却代金から債権回収をする権利を有します。
(3)抵当権が設定されている不動産の所有者は、被担保債権について債務不履行にならない限り、抵当権が付いている不動産は、通常通り使えます。
(4)抵当権は、不動産を売却した際の交換価値(お金に換える価値)を把握する権利と言われています。
| 民法369条 抵当権の内容 1項 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 2項 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。 |
抵当権の抹消請求と、登記保持権権限の抗弁
抗弁
所有者から、抵当権の抹消登記請求に対し、登記保持権権限の抗弁の要件事実は以下のとおりとなる。
要件事実
①被担保債権の発生原因事実
②①について、担保権設定者と抵当権の合意をしたこと
③担保件設定者が、抵当権が設定されている不動産を所持していたこと
抵当権の設定された不動産の売買
(1)理論上は、抵当権が設定された不動産についても、自由に売買できます。
(2)抵当権が設定された所有者が変わっても、抵当権者は、抵当権を実行できます。つまり、抵当権が設定されている不動産を売却し、その売却代金から債権回収をする権利を有します。
(3)もっとも、所有権を失うかもしない不動産を買う買主はおりません。
銀行融資を利用して購入された不動産を売却するときには、一度、融資を返済して抵当権を消滅させて、新しい買主は新たに銀行融資を受けて、新しい抵当権を設定し直すのが通常です。
買主も不動産の購入代金を全て用意することは難しく、購入時には銀行融資を利用するのが通常です。
抵当権の実行と、債務不履行
抵当権者は、被担保債権が債務不履行になれば、抵当権設定合意に基づいて、抵当権が設定されている不動産を強制的に競売することができます。
抵当権の実行方法
任意弁済
抵当権者は、抵当権設定者(不動産所有者)に対し、競売手続に代えて、不動産を売却して、売却代金を被担保債権の弁済に充ててくれないか、と交渉することがあります。
競売手続
抵当権者が、抵当権を実行して競売する場合には、民事執行法の手続きをとることになります。






