Q 相殺について教えて下さい。
2026/01/18 更新
このページを印刷相殺
二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、自動債権が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる(民法505条1項)。
相殺の要件事実
①自働債権の発生原因事実
②自働債権の弁済期の到来
③自働債権に附着する抗弁権の発生障害事実または消滅原因事実
④相殺の意思表示をする。
債権者(原告)の請求権に相殺障害がないこと
(1)債権者(原告)が本訴訟で請求している債権に相殺障害があれば, 相殺の抗弁を提 出することができない。
(2)悪意による不法行為に基づく損害 賠償請求に対し、相殺の抗弁の提出は認められない (民法509条1項)。
(3)人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求に対しても、相殺の抗弁の提出は認められない (民法509条2項)。
(4)賃金債権に対する相殺の抗弁の提出も認められない(労基法24条1項)。
②自働債権の弁済期の到来
(1)民法509条は、双方の債務が弁済期にあるときと記載されているが、受働債権について期限の利益を放棄できる。
(3)したがって、②自働債権の弁済期の到来が必要です。
③自働債権に附着する抗弁権が発生しないこと
同時履行の抗弁権が成立しないこと
原告の同時履行の抗弁権を消滅させるものとして、 反対債務の履行(又はその提供)が必要となる。
催告・検索の抗弁権
自動債権が保証債務履行請求権 (連帯保証を除く) である場合には、催告・検索の抗弁権(民法452条、民法453条) が付着しているから、このまま自働債権とすることは許されず、 これらの抗弁権の障害消滅原因 が必要となる。
債務者対抗要件
譲り受けた債権を自働債権とする場合、「債務者対抗要件の 抗弁権」が付着しているから、債権譲渡の通知又は承諾があったことが必要となる。
| 民法505条 相殺の要件等 1項 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2項 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。 民法506条 相殺の方法及び効力 1項 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。 2項 前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。 民法508条 時効により消滅した債権を自働債権とする相殺 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。 民法509条 不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止 次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。 一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務 二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。) |






