Q 被害者がシートベルトをしていないことを理由に過失相殺されて損害賠償が減額されるか。
2025/12/06 更新
このページを印刷シートベルトと過失相殺
(1)シートベルトを装着すべき義務を同乗者に課す旨の法律上の規定はないが、過失相殺の民法722条2項の「過失」については、不法行為の成立要件の一つである「過失」(民法709条)に限られず、ほか、損害賠償額を減額するのが妥当と考えられる不注意を含まれます。
(2)実務上は、アシートベルト不装着と損害の発生又は拡大との間に因果関係が認められない場合、加害者の過失の程度が著しく大きい場合、道路交通法(以下「道交法」という。) 上シートベルト装着が義務とされない場合 (道交法71の3第2項ただし書)を除いて、事故の相手方車両の運転者との関係だけではなく、同乗車両の運転者との関係でも過失相殺を行われれます。
参考
判例タイムズ1537号234頁
東京地裁令和6年3月15日
タクシー運転手が、乗客に対しシートベルトの着用の注意しなかった場合について、被害者である乗務員がシートベルトをしていないことについて過失相殺を否定されました。
判例タイムズ1537号234頁
判例タイムズ1537号234頁






