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【裁判手続】文書提出命令と「刑事関係文書」

2025/01/27 更新

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文書提出命令

文書提出命令とはなんですか?

文書提出命令は、訴訟になっている一方当事者が、訴訟の他方当事者に対し、「紛争に関係がある文書を出せ。」と命じるものです。

正確には、裁判所に対し、「裁判所が訴訟の相手方当事者に対し、文書を提出せ。」と命じることを求める手続きです。

民事訴訟法224条の4号の規定

(1)民事訴訟法224条の4号は、文書提出命令の対象となる文書について、次のいずれにも該当しない文書と規定しています。

イ 文書の所持者又は文書の所持者と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
ハ 第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書
ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)
ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書

(2)つまり、民事訴訟法224条の4号の文書から除外される文書として、「刑事関係文書」を存在します。

民事訴訟法224条の4号の「刑事関係文書」

民事訴訟法224条の4号の「刑事関係文書」について、刑事関係文書が、開示の対象から除外される理由は、将来の捜査への影響への配慮、刑事記録に記載されている人々(被害者、目撃者を含む)のプライバシーの保護のためです。

判例(最判平成16年5月25日)は、民事訴訟法224条の4号の「刑事関係文書」に該当するかは、民事訴訟における当該文書を取り調べる必要性の有無、程度、当該文書が開示されることによる被告人、被疑者等の名誉、プライバシーの侵害等の弊害発生のおそれの有無等の諸般の事情に照らして考慮されるべきであると判示しました。(民事訴訟法判例百選【第6版】142頁)

最判平成16年5月25日(判例タイムズ1159号143頁)

当該ケースの事情において、刑事事件の未提出の供述調書は、民事訴訟法224条の4号の「刑事関係文書」に該当するとされた(民事訴訟法判例百選【第6版】142頁)。

最判令和2年3月24日(判例タイムズ1480号144頁)

当該ケースの事情において、刑事事件の死体の解剖の写真が記録された電磁的記録媒体は、民事訴訟法224条の4号の「刑事関係文書」に該当するとされた。

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