判例(警察が正式な書類でA口座について振り込め詐欺救済法に基づく取引停止措置の要請があり、追加で同じ口座名義人のB口座については同書式ではなく形で取引停止措置の要請をした。金融機関はこれらに基づいて取引停止措置をとったとしても、取引停止措置の要請が虚偽であることが明白な場合等を除いて、金融機関は不法行為責任を負わない。)
2026/03/26 更新
このページを印刷犯罪利用預金口座等としての取引停止措置
振り込め詐欺救済法により、警察や弁護士は銀行に対し、その口座が犯罪に利用されているとして、その口座の取引の停止を申し立てることができます。
同申し立てがあれば、金融機関は当該口座を引き出せない措置をとります。
犯罪利用預金口座等としての取引停止措置がされていたとしても、同口座に対する強制執行をする効力はありません。
東京地判令和6年11月11日(判例タイムズ1541号232頁)
1 事案
(1)警察が金融機関に対し正式な書類でA口座について振り込め詐欺救済法に基づく取引停止措置の要請をし、B口座については同書式ではない形で、取引停止措置の要請をした。
(2)したがって、B口座に対する警察の要請は振り込め詐欺救済法に基づく要請ではなかった。
(3)金融機関はこれらに基づいて取引停止措置を行った。
(4)口座を凍結された会社は金融機関に対し、預金相当額の利息を損害として不法行為に基づく損害賠償請求等を行った。
2 判決
金融機関はこれらに基づいて取引停止措置をとったとしても、取引停止措置の要請が虚偽であることが明白な場合等を除いて、金融機関は不法行為責任を負わない。
B口座に対する警察の要請は振り込め詐欺救済法に基づく要請ではなかった。しかし、警察が正式な書類でA口座について振り込め詐欺救済法に基づく取引停止措置の要請があり、追加で同じ口座名義人のB口座については同書式ではなく形で取引停止措置の要請をしている。したがって、B口座についても、 金融機関はこれらに基づいて取引停止措置をとったとしても、取引停止措置の要請が虚偽であることが明白な場合等を除いて、金融機関は不法行為責任を負わない。

警察等から「振り込め詐欺救済法に基づく取引停止措置の要請があった場合、金融機関はこれらに基づいて取引停止措置をとったとしても、取引停止措置の要請が虚偽であることが明白な場合等を除いて、金融機関は不法行為責任を負わない。」ことを示した判例です。
もっとも、刑事事件の捜査が進んだ段階で、犯罪ではないことが明白になった場合に、これらの状況説明があった場合には、金融機関は取引停止措置を継続するか、別に判断する必要があります。
参考
判例タイムズ1541号232頁
犯罪を理由に凍結された口座について、どんな要件を満たせば払い戻し請求が認められるか、まとめられています。






