Q 借地借家法が適用される場合の建物の存続期間満了に基づく建物明渡について教えて下さい。
2026/02/18 更新
このページを印刷借地借家法の適用の要件
(1)建物の賃貸借の合意であること。
(2)一時使用の合意(短時間に限って賃貸借を成立させる合意)でないこと(借地借家法40条)
借地借家法が適用される場合の建物賃貸借の存続期間
1 1年以内の合意がある場合
賃貸期間が1年未満の場合(借地借家法29条1項)、期間の合意がない賃貸借とされます。
2 期限の合意がない場合
(1)期限の合意がない場合のほか、賃貸期間が1年未満の場合(借地借家法29条1項)、賃貸借契約が更新されたが、期間の合意をしなかった場合(借地借家法26条)には、期間の合意がない賃貸借とされます。
(2)賃貸人は、①正当事由が存在すること、②6か月後に解約を申し出ることで、賃貸借契約を解除できます(借地借家法27条1項、借地借家法28条)。
3 1年以上の賃貸借期間の合意がある場合
賃貸人は、①正当事由が存在すること、②1年前から6か月前までの期間に更新拒絶の通知を申し出ることで、賃貸借契約を解除できます(借地借家法26条1項、借地借家法28条)。
賃貸期間の更新
(1)更新の合意が成立すれば、賃貸期間は更新されます。
(2)賃貸人は、①正当事由が存在すること、②1年前から6か月前までの期間に更新拒絶の通知を申し出ることで、賃貸借契約を解除できます(借地借家法26条1項、借地借家法28条)。
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通知を受けたが、賃借人が建物の使用を継続していると、更新が成立します(借地借家26条2項)。
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賃貸人が異議を述べた場合には、更新はされない(借地借家法5条1項但書、借地借家法6条)。
| 借地借家法26条 建物賃貸借契約の更新等 1項 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。 2項 前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。 3項 建物の転貸借がされている場合においては、建物の転借人がする建物の使用の継続を建物の賃借人がする建物の使用の継続とみなして、建物の賃借人と賃貸人との間について前項の規定を適用する。 借地借家法27条 解約による建物賃貸借の終了 1項 建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。 2項 前条第2項及び第3項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用する。 借地借家法28条 建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件 建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。 借地借家法29条 建物賃貸借の期間 1項 期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。 2項 民法(明治二十九年法律第八十九号)第604条の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。 借地借家法40条 一時使用目的の建物の賃貸借 この章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。 |
建物の存続期間満了に基づく建物明渡の要件事実
1年以上の賃貸借期間の合意がある場合の貸借契約の終了に基づく目的物の返還請求権の要件事実は、以下のとおりです。
①賃貸借の合意
②①に基づいて目的物を引き渡したこと
③①について、賃貸借期間の合意があること(1年以上の賃貸借期間)
④③の期間の経過
⑤1年前から6か月前までの期間に更新拒絶の通知をしたこと
⑥⑤について正当事由があること
参考
岡口基一「要件事実マニュアル(第6版)第2巻 民法2」271頁以下






