Q 賃借人と、賃貸物の新しい所有者の関係について教えて下さい。(対抗要件)
2026/02/16 更新
このページを印刷物権変動と賃借人
1 権利者から譲渡を受けたこと
(1)賃借人と、賃貸物の新しい所有者の関係はどうなるでしょうか。
(2)まず、賃借人も、賃貸物の新しい所有者も、その物権の権利者から、物権の譲渡(使用許諾)を受けていることが必要です。す。
賃借人は、賃貸物の所有者から、その賃貸物を使用する権限の設定(賃貸借契約)を成立させることが必要です。
賃貸物の新しい所有者も、賃貸物の所有者から、その賃貸物の所有権の譲渡を受けていることが必要です。
2 対抗要件に立つこと
(1)賃借人も、賃貸物の新しい所有者も、、二重譲渡類似の対抗関係に立ちます(民法177条、178条)。
(2)賃借人が対抗要件を備えていなかったり、建物の新しい所有者が登記をしていなかったりした場合には、対抗要件を有する者が勝ちます。
3 対抗要件を備えること
(1)建物の新しい所有は所有権の所有権の移転登記をすれば、対抗要件を備えます(民法177条)。
(2)建物の賃借人は、「建物の引渡し(占有開始)」があれば、対抗要件を備えます(借地借家法31条)。
| 借地借家法31条 建物賃貸借の対抗力 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。 |
(3)土地について賃借権の登記をするれば、土地の賃借人は対抗要件を備えます。
①建物の所有を目的とする土地の賃貸借であり、かつ、②建物の所有権登記があれば、土地の賃借人は対抗要件を備えます(借地借家法2条1号、借地借家法10条1項)。
| 借地借家法2条 定義 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 (省略) 借地借家法10条 借地権の対抗力 1項 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。 2項 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。 |
両者が対抗要件を具備している場合
前の建物所有者が賃貸人であった場合、新しい建物所有者と、賃借人の間に賃貸借契約が成立します(民法605条の2第1項)。
| 民法601条 賃貸借 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。 民法605条 不動産賃貸借の対抗力 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。 民法605条の2 不動産の賃貸人たる地位の移転 1項 前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。 2項 前項の規定にかかわらず、不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない。この場合において、譲渡人と譲受人又はその承継人との間の賃貸借が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転する。 3項 第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。 4項 第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第608条の規定による費用の償還に係る債務及び第622条の2第1項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する |
| 借地借家法2条 定義 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 (以下省略) 借地借家法10条 借地権の対抗力 1項 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。 2項 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。 借地借家法31条 建物賃貸借の対抗力 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。 |






