相続の注意事例

KNOWLEDGE - CASE STUDIES

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「うちは家族仲がいいから大丈夫」——そう思っていたのに、いざ相続が始まると深刻なトラブルに発展するケースは少なくありません。
ここでは、弁護士の実務でよく見かける注意事例を紹介します。同じ失敗を防ぐための参考にしてください。

※個人が特定されないよう、事実関係を一部変更しています。

1
「信じていた絆」が崩れた日。10年の歳月を取り戻した円満解決
「まさか、自分たちの家族がこうなるとは思ってもみませんでした……」
沈痛な面持ちで相談に来られたA様。その手には、亡きお父様が大切に守ってきた実家の写真が握られていました。

💔 葛藤の記憶

長男であるA様は、長年ご両親と同居し、最期まで献身的に介護を続けてこられました。しかし、葬儀が終わるやいなや、疎遠だった兄弟たちから届いたのは「家を売って、法定通り3等分にしろ」という冷徹な要求でした。

「介護の苦労は何だったのか」「この家を守りたかった父の想いはどうなるのか」——話し合いは罵り合いに変わり、次第に連絡すら取れない「絶縁状態」となってしまいました。

⚖️ 弁護士が灯した希望

私たちが介入して最初に行ったのは、法律を振りかざすことではなく、双方の「本当の想い」を丁寧に聴き取ることでした。

兄弟たちがこだわっていたのは金銭そのものではなく、「ないがしろにされている」という疎外感でした。私たちはA様の介護の記録を客観的な証拠として整理しつつ、兄弟たちの感情にも寄り添った「代償分割アプローチ」を提案しました。

✨ 解決の結末

最終的に、A様が実家を守る代わりに、預貯金を柔軟に配分し、不足分を数年かけて支払う形で合意。あんなに険悪だった兄弟たちが、最後には「これで父も安心するね」と涙を流して握手をされました。
10年もの間、止まっていた時計が、ようやく動き出した瞬間でした。

2
相続税の申告期限を過ぎてしまった
📋 状況 母が亡くなり、遺産は自宅マンション(評価額4,000万円)と預貯金3,000万円。相続人は子1人。「基礎控除(3,600万円)」を超えていることに気づかず、相続税の申告をしなかった。
❌ トラブルの内容 税務署から「お尋ね」の文書が届き、無申告であることが発覚。無申告加算税(15〜20%)と延滞税が加算され、本来の税額よりも約80万円多く支払うことに。
✅ こうすれば防げた 早めに税理士に相談して遺産総額と基礎控除の比較を行えば、期限内に申告できた。さらに小規模宅地等の特例を使えば、税額を大幅に圧縮できた可能性もあった。
3
遺言書の書き方が不十分で無効に
📋 状況 父が生前に自筆証書遺言を作成。「長女に家を、二女に預金を渡す」と書いていたが、日付が「令和○年○月吉日」と記載されていた。
❌ トラブルの内容 「吉日」という記載では日付の特定ができないため、遺言が無効と判断された。結果、遺産分割協議からやり直すことになり、兄弟間で紛争が発生。
✅ こうすれば防げた 自筆証書遺言は「全文・日付・氏名」を自署し「押印」する必要がある。日付は「令和○年○月○日」と具体的に記載すること。より安全なのは公正証書遺言の作成。
4
相続放棄の期限切れで借金を背負うことに
📋 状況 疎遠だった父が亡くなり、不動産業者から「お父様の借金の返済を」と連絡が来た。父には事業の借入金が約3,000万円あったが、相続人はそれを知らなかった。
❌ トラブルの内容 「3ヶ月」の熟慮期間を知らずに放置した結果、単純承認とみなされ、借金3,000万円を引き継ぐことに。
✅ こうすれば防げた 死亡を知った時点で速やかに弁護士に相談し、財産調査を実施。借金が多ければ3ヶ月以内に相続放棄の手続きを行うべきだった。なお、特別な事情があれば期限後でも放棄が認められるケースもある。
5
不動産の名義変更を放置した結果…
📋 状況 祖父名義のまま放置されていた土地があった。祖父の相続人(子4人)のうち2人が既に死亡しており、その配偶者や子どもも相続人に。結果的に相続人が15人に膨れ上がった。
❌ トラブルの内容 15人の相続人全員の合意が必要となり、中には海外在住者や連絡がつかない人もいて、遺産分割協議がまとまらない。土地を売却することもできず「塩漬け」状態に。
✅ こうすれば防げた 相続発生時に速やかに名義変更(相続登記)を行っていれば、数人での協議で済んだ。2024年4月からは相続登記が義務化され、3年以内の登記が必要になった。
6
兄が親の預金を使い込んでいた
📋 状況 母が入院中、同居していた長男が母のキャッシュカードで預金を引き出していた。母の死後に通帳を確認すると、3年間で約1,500万円が引き出されていたことが判明。
❌ トラブルの内容 長男は「母の生活費に使った」と主張。しかし領収書や記録がなく、他の相続人は「使い込み」として返還を求めたが、証拠が不十分で全額の立証が困難に。
✅ こうすれば防げた 親の財産管理を行う際は、使途の記録を残すこと。また、弁護士会照会や金融機関への取引履歴開示請求により、引き出し経緯の調査は可能。早期の対応が証拠確保のカギ。

共通する教訓

💡 すべてに共通するポイント
  • 「うちは大丈夫」という過信が最大のリスク
  • 相続は期限のある手続きが多い(3ヶ月、4ヶ月、10ヶ月…)
  • 感情的な対立は時間とともに悪化する傾向がある
  • 早めの専門家相談が最善の予防策

当事務所では、相続トラブルの予防から紛争解決まで幅広く対応しています。
「もしかしてうちも…」と少しでも思われた方は、お気軽に無料相談をご利用ください。

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