認知症と相続

KNOWLEDGE - DEMENTIA & INHERITANCE

相続の基礎知識 メニュー | 弁護士法人 夕陽ヶ丘法律事務所

日本の高齢者の約5人に1人が認知症と推計される時代。認知症は相続手続きの大きな障害になります。
本人が亡くなった場合だけでなく、相続人が認知症の場合も深刻な問題が発生します。

認知症が相続に与える影響

📝
遺産分割協議ができない

認知症の相続人は意思能力がないとみなされ、遺産分割協議に参加できません。無理に参加させた協議は無効です。

🏦
預貯金が凍結される

口座名義人が認知症になると銀行が取引を制限。キャッシュカードも使えなくなる場合があります。

🏠
不動産が売却できない

認知症の方が名義人の不動産は本人の意思確認ができないため、売却・担保設定ができません。

✍️
遺言書が作れない

認知症が進行した後に作成した遺言書は遺言能力がないとして無効になるリスクがあります。

相続人に認知症の方がいる場合

成年後見制度を利用する

認知症の相続人に代わって成年後見人が遺産分割協議に参加します。

項目 法定後見 任意後見
開始時期 認知症になった後 認知症になる前に契約
後見人の選任 家庭裁判所が選任 本人が事前に選任
費用 申立費用+後見人報酬(月2〜6万円) 契約時の費用+後見人報酬
終了 原則として本人の死亡まで 同左
⚠️ 成年後見制度のデメリット
  • 後見人の報酬が毎月発生し、本人の死亡まで続く
  • 家庭裁判所の監督下に置かれ、柔軟な財産管理が困難
  • 親族が後見人に選任されないこともある(専門職後見人の場合)
  • 後見人は本人の利益を優先するため、相続税対策としての贈与等ができない

生前にできる3つの対策

対策 内容 メリット
1. 遺言書の作成 元気なうちに公正証書遺言を作成。具体的な財産の分け方を指定 遺産分割協議が不要になる
2. 家族信託 信頼できる家族に財産の管理・処分を委託する契約 成年後見制度より柔軟。不動産の売却・運用も可能
3. 任意後見契約 元気なうちに信頼できる人を後見人に指名 自分で後見人を選べる

家族信託 vs 成年後見制度

家族信託 成年後見制度
開始タイミング 元気なうちに契約 判断能力低下後に申立て
財産管理の柔軟性 ◎ 高い △ 裁判所の監督あり
不動産の売却 ○ 信託契約の範囲内で可能 △ 裁判所の許可が必要
相続対策 ○ 生前贈与・遺言的効果も可 ✕ 本人の財産保護が最優先
費用 初期費用(30〜100万円程度) 毎月の報酬(月2〜6万円)
身上監護 ✕ できない ○ 入院・施設入所の契約等

まとめ

📌 認知症と相続のポイント
  • 認知症になると遺産分割協議・売却・遺言作成ができなくなる
  • 相続人が認知症の場合は成年後見人の選任が必要
  • 生前対策として遺言書・家族信託・任意後見が有効
  • 家族信託は柔軟性が高いが、身上監護はできない
  • 元気なうちに対策を取ることが最も大切
無料相談を予約する
電話で詳しく聞く📞フォームから予約📧
TOP