自筆証書遺言に財産を記載する際、「財産目録」を別紙として添付することができます。
2019年の民法改正により、財産目録はパソコンで作成することも可能になりました。法改正
財産目録とは?
財産目録とは、遺言書に記載する遺産の一覧表です。不動産・預貯金・有価証券・その他の財産をリスト形式で整理します。
📌 2019年法改正のポイント
- 改正前:遺言書の本文も財産目録もすべて自筆で書く必要があった
- 改正後:財産目録に限り、パソコンで作成・通帳のコピー添付・登記事項証明書の添付が可能に
- ただし、各ページに署名・押印が必要
財産目録に記載すべき項目
| 財産の種類 | 記載すべき情報 |
|---|---|
| 不動産(土地) | 所在、地番、地目、地積 |
| 不動産(建物) | 所在、家屋番号、種類、構造、床面積 |
| 預貯金 | 金融機関名、支店名、口座種別、口座番号 |
| 有価証券 | 証券会社名、銘柄、口座番号、株数 |
| 生命保険 | 保険会社名、証券番号、受取人 |
| 自動車 | 車名、型式、登録番号、車台番号 |
| 借金・債務 | 債権者名、借入額、残額 |
財産目録のサンプル(パソコン作成例)
財 産 目 録
【第1 不動産】
1. 土地
所 在:大阪市天王寺区上本町八丁目
地 番:2番1
地 目:宅地
地 積:120.50㎡
2. 建物
所 在:大阪市天王寺区上本町八丁目2番地1
家屋番号:2番1
種 類:居宅
構 造:木造瓦葺2階建
床面積:1階 65.40㎡ 2階 52.80㎡
【第2 預貯金】
1. ○○銀行 △△支店 普通預金 口座番号1234567
2. △△信用金庫 □□支店 定期預金 口座番号7654321
【第3 有価証券】
1. ○○証券 口座番号:12345678
・株式会社○○ 普通株式 1,000株
・□□ファンド 500口
令和○年○月○日
夕陽 太郎 ㊞
作成時の注意点
⚠️ 必ず守るべきルール
- 各ページに署名・押印が必要(遺言書本文と同じ署名・押印)
- 遺言書本文は必ず自筆(財産目録のみパソコンOK)
- 財産目録のページの両面に記載する場合は、両面に署名・押印
- 通帳コピーを添付する場合も、コピーの各ページに署名・押印
- 財産目録は遺言書本文と別のページにする(同じ用紙はNG)
パソコンで作成可能なもの・不可なもの
| 項目 | パソコン作成 | 備考 |
|---|---|---|
| 遺言書の本文 | ✕ 不可 | 必ず全文自筆 |
| 日付 | ✕ 不可 | 自筆で記載 |
| 氏名 | ✕ 不可 | 自筆で記載 |
| 財産目録 | ○ 可能 | 各ページに署名・押印必要 |
| 通帳コピー添付 | ○ 可能 | 各ページに署名・押印必要 |
| 登記事項証明書添付 | ○ 可能 | 各ページに署名・押印必要 |
よくある質問
Q. 財産目録は必須ですか?
必須ではありません。遺言書本文に財産を直接記載しても有効です。
ただし、財産が多い場合は別紙の財産目録を作成した方が、記載ミスを防げて安全です。
Q. 金額は記載すべきですか?
預貯金の残高は変動するため、金額を記載しない方が安全です。口座の特定情報(金融機関名・口座番号)があれば十分です。
Q. 法務局の保管制度を利用する場合は?
自筆証書遺言保管制度を利用する場合も、財産目録の作成ルールは同じです。ただし、法務局に預ける場合は用紙サイズや余白の規定があるため、事前に確認しましょう。
まとめ
📌 財産目録の書き方のポイント
- 2019年改正でパソコン作成が可能に
- 不動産は登記簿の記載をそのまま転記
- 預貯金は金額ではなく口座情報で特定
- 各ページに必ず署名・押印
- 遺言書本文は全文自筆が必須(変更なし)
- 通帳コピー・登記事項証明書の添付も可能
遺言書は形式不備があると無効になるリスクがあります。特に財産目録の署名・押印漏れは見落としがちです。
確実な遺言を残したい方は、専門家のチェックを受けることをおすすめします。