配偶者の税額軽減と
「二次相続」の罠

KNOWLEDGE - REAL ESTATE TAX

ご主人(または奥様)が亡くなり、ご夫婦で築き上げてきた財産を相続する際、税務署から莫大な相続税を請求されたら今後の生活が成り立ちません。
そこで国は、残された配偶者の生活を保障するため「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」という極めて強力な特例を用意しています。

しかし、「無税になるから」と安易に全財産を配偶者名義にしてしまうと、将来その配偶者が亡くなり子供が相続する際(二次相続)に、恐ろしい税金の罠にハマってしまいます。ここでは配偶者控除の基本と落とし穴について解説します。

1. 最強の節税特例「配偶者の税額軽減」とは?

配偶者の税額軽減措置とは、亡くなった方の配偶者が遺産を相続する場合、「1億6,000万円」か「法定相続分」のどちらか多い金額まで、配偶者にかかる相続税が非課税(ゼロ)になるという制度です。

💰 この特例の手厚さの例
  • 【例1】遺産が1億円の場合 ➔ 配偶者が全額(1億円)相続しても、1億6000万円の枠内なので相続税0円
  • 【例2】遺産が10億円、妻と子2人(妻の法定相続分は半分の5億円)の場合 ➔ 妻が法定相続分である5億円を相続しても、法定相続分の枠内なので相続税0円

【注意】申告は必須です!
「計算した結果、税金が0円になるのだから税務署には何も連絡しなくていいだろう」というのは大きな間違いです。この特例を利用するためには、たとえ税額が0円であっても、必ず期限内(10ヶ月以内)に税務署へ相続税の申告書と遺産分割協議書を提出しなければなりません。(無申告だと使えません)

2. 「二次相続」で起きる悲劇(落とし穴)

配偶者の税額軽減は非常に魅力的ですが、弁護士・税理士の視点からすると、ここに最大の罠が潜んでいます。それが二次相続(2回目の相続)です。

父が亡くなった時の相続を「一次相続」、その後母が亡くなった時の相続を「二次相続」と呼びます。

一次相続(父死亡時)で、「とりあえずお母さんが全部相続しておけば、特例で無税になるからそうしよう」と決めたとします。
しかし、数年後に二次相続(母死亡時)が発生し、子供たちが母の財産を相続する際、以下の理由で一次相続の比ではない莫大な税金が子供にのしかかることになります。

陥りやすい3つの罠

  • 基礎控除が減る:父のときは相続人が「母+子供」でしたが、母のときは「子供のみ」になり人数が減るため、無税の枠である基礎控除額が縮小します。
  • 配偶者控除が使えない:二次相続では配偶者がすでにいないため、子供は「1億6000万円の無税枠」という最強の盾を使えません。
  • 財産が丸々残っている:父から母へ移った数億円の財産が、そのままごっそり子供への課税対象となります。

目先の「一次相続での無税」に飛びついた結果、二次相続で家を売却して税金を払う羽目になったり、場合によっては一次相続で最初から子供に多少税金を払わせてでも相続させておいた方が、結果的にトータルの税金が数千万円安かった、というケースは頻発しています。

3. 二次相続を防ぐ、弁護士・税理士による「生前対策」

二次相続の悲劇を防ぐためには、一次相続が発生する前から、あるいは一次相続時の遺産分割協議の段階で、長期的なシミュレーションを行うことが不可欠です。

弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所がサポートできること

  • 提携税理士と連携した遺産分割シミュレーション
    当事務所では相続問題に強い税理士と連携し、「今回、母と子供でどういう割合(遺産分割協議)で分ければ、将来の母死亡時まで見据えたトータルの手取り額が一番大きくなるか(税金が最少になるか)」という着地点を算出し、法的に有効な遺産分割協議書の作成までワンストップでサポートします。
  • 家族信託(民事信託)のご提案
    例えば「不動産の名義と本質的な権利を切り離す(母は不動産からの家賃収入を得る権利のみ持ち、所有権は子供に渡しておく)」といった信託契約を事前に弁護士が組成することで、認知症リスクへの対策と二次相続時の負担軽減を同時に達成する方法をご提案します。
  • 遺言書の作成と遺留分対策
    生前贈与や生命保険などを活用し、二次相続の納税資金(キャッシュ)を特定の子供に確実に残すための遺言作成(公正証書遺言)をサポートします。

「親が高齢になってきた」「相続税がかかりそうだが、どう分けていいかわからない」という方は、手遅れになる前に、当事務所の無料相談をご活用ください。

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