「相続税って、結局いくらかかるの?」——これは相続が発生した方が最も気になる疑問のひとつです。
相続税の計算は少し複雑ですが、7つのステップに分けて順番に進めれば、おおよその金額を理解することができます。
相続税計算の全体像
相続税は以下の流れで計算します。一つずつ見ていきましょう。
まず亡くなった方の全財産(プラスの財産)を洗い出します。
- 不動産(土地・建物)
- 預貯金・現金
- 有価証券(株式・投資信託など)
- 生命保険金(みなし相続財産)
- 死亡退職金(みなし相続財産)
- その他(車、貴金属、ゴルフ会員権など)
以下を遺産総額から差し引きます。
- 生命保険金の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)
- 死亡退職金の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)
- 借金・未払い税金などの債務
- 葬式費用
正味の遺産額がこの基礎控除額以下であれば、相続税はかからず、申告も不要です。
課税遺産総額を、法定相続分に従って各相続人に仮に分配します。
実際の分け方に関係なく、計算上の手順として行います。
仮に分配した各人の取得額に、以下の税率を掛けて計算します。
相続税の速算表
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | — |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
各人の仮の税額をすべて合計します。これが「相続税の総額」です。
相続税の総額を、実際に各人が取得した財産の割合で按分します。
そこから以下の税額控除を差し引いたものが、各人の最終的な納付税額です。
- 配偶者の税額軽減:1億6,000万円または法定相続分まで非課税
- 未成年者控除:18歳になるまでの年数 × 10万円
- 障害者控除:85歳になるまでの年数 × 10万円(特別障害者は20万円)
- 相次相続控除:10年以内に続けて相続があった場合
【具体例】で計算してみよう
遺産の内訳:
- 自宅の土地・建物:4,000万円(評価額)
- 預貯金:3,000万円
- 生命保険金:2,000万円
- 借入金:▲500万円
- 葬式費用:▲200万円
Step 1-2:正味の遺産額
生命保険の非課税枠 = 500万円 × 3人 = 1,500万円
正味の遺産額 = (4,000 + 3,000 + 2,000) − 1,500 − 500 − 200 = 6,800万円
Step 3:基礎控除を引く
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円
課税遺産総額 = 6,800万円 − 4,800万円 = 2,000万円
Step 4-5:法定相続分で仮計算
- 妻(1/2):1,000万円 → 税率10% → 100万円
- 子A(1/4):500万円 → 税率10% → 50万円
- 子B(1/4):500万円 → 税率10% → 50万円
Step 6:相続税の総額
100万円 + 50万円 + 50万円 = 200万円
Step 7:配偶者控除を適用
妻は法定相続分(1/2)で取得 → 配偶者の税額軽減により妻の税額は0円
子Aの納付額:50万円、子Bの納付額:50万円
→ 一家で納める相続税は合計100万円
計算を間違えやすいポイント
- 不動産の評価を時価で計算してしまう → 相続税評価額(路線価)で計算する必要があります
- 生命保険の非課税枠を忘れる → 500万円×法定相続人の数を差し引けます
- 小規模宅地等の特例を適用し忘れる → 自宅の土地評価を最大80%減額できます
- 配偶者控除を使ったのに申告しない → 控除を使う場合は必ず申告が必要です
相続税の申告期限
相続税の申告と納税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
期限を過ぎると延滞税や加算税が課されるため、早めの準備が大切です。特に不動産の評価や遺産分割協議に時間がかかるケースでは、専門家への早期相談をおすすめします。
まとめ
相続税の計算は複雑に見えますが、7つのステップを順に追えば全体像が見えてきます。
ただし、不動産の評価や特例の適用判断には専門的な知識が必要です。当事務所では税理士と連携して、相続税の試算から申告までワンストップでサポートしています。
「自分の場合はいくらかかるのか」が気になる方は、お気軽に無料相談をご利用ください。