亡くなった方(被相続人)の財産を引き継ぐ権利がある人を「法定相続人(ほうていそうぞくにん)」といいます。
誰が相続人になるのか、そしてどれだけの割合をもらえるのか(法定相続分)は、民法で厳格に定められています。
1. 誰が相続人になるの?(相続順位)
まず、配偶者(夫・妻)は常に相続人になります。
それ以外の親族には順位があり、上の順位の人がいれば、下の順位の人は相続人になれません。
(亡くなった方)
(常に相続人)
【第1順位】子(こ)
被相続人の子供は、第1順位の相続人です。実子だけでなく、養子や認知された子も含まれます。
その子に子供(被相続人から見て孫)がいれば、孫が代わりに相続します(代襲相続)。
⚠️ 「相続放棄」では代襲相続しない!
子が「先に死亡」していた場合は孫が相続(代襲)しますが、子が「相続放棄」をした場合は、孫は相続人になりません。
この場合、相続権は次順位(親や兄弟姉妹)に移ります。
👶 胎児は相続人になれる?
はい、なれます。民法では「胎児は既に生まれたものとみなす」とされており、無事に生まれれば相続権を持ちます。
📝 非嫡出子(結婚していない男女間の子)は?
父親が「認知」していれば相続人になります。母親の場合は、分娩の事実により当然に親子関係が生じるため、認知不要で相続人になります。
【第2順位】直系尊属(親・祖父母)
子供(および孫など)が誰もいない場合のみ、第2順位として親が相続人になります。親が亡くなっていれば祖父母がなります。
【第3順位】兄弟姉妹
子供もおらず、親などの直系尊属も全員亡くなっている場合のみ、第3順位として兄弟姉妹が相続人になります。
その子供(被相続人から見て甥・姪)が代わりに相続します。ただし、甥・姪の子(又甥・又姪)までは代襲しません。
2. どれくらいもらえるの?(法定相続分)
誰が相続人になるかの組み合わせによって、法律で定められた取り分(法定相続分)が変わります。
パターン1:配偶者と子がいる場合
※子供が複数いる場合は、1/2を人数で等分します。
パターン2:子がおらず、親がいる場合
※両親がいる場合は、1/3を2人で分けます。
パターン3:子も親もおらず、兄弟姉妹がいる場合
※兄弟姉妹が複数いる場合は、1/4を人数で等分します。
💰 具体的な計算例(遺産総額ごとのシミュレーション)
遺産分割のイメージを掴むために、具体的な数字で見てみましょう。
ケース1:配偶者と子供2人の場合
遺産総額:4,000万円
- 👩 配偶者 (1/2) 2,000万円
- 👦 長男 (1/4) 1,000万円
- 👧 長女 (1/4) 1,000万円
ケース2:配偶者と兄弟姉妹(兄1人)の場合
子供もおらず、親も亡くなっているケース
遺産総額:4,000万円
- 👩 配偶者 (3/4) 3,000万円
- 👨 兄 (1/4) 1,000万円
※兄弟姉妹が複数いる場合は、この1,000万円を人数で等分します。
📊 不公平を調整する制度(寄与分・特別受益)
上記の「法定相続分」はあくまで原則です。以下の事情がある場合は、修正されることがあります。
特別受益(とくべつじゅえき)
生前に被相続人から「マイホーム資金」や「留学費用」など、特別な贈与を受けていた場合、その分を遺産の前渡しとみなして差し引きます。
寄与分(きよぶん)
被相続人の事業を手伝ったり、長期の介護を無償で行ったりして財産の維持・増加に貢献した場合、その分を上乗せします。