名義預金と相続税

KNOWLEDGE - NOMINAL DEPOSIT

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「子供名義の口座にお金を移しておけば相続税はかからない」——これは大きな誤解です。
税務署が相続税の税務調査で最も多く指摘する項目が、この「名義預金」です。

⚠️ 名義預金は税務調査の指摘No.1

国税庁の統計によると、相続税の税務調査で申告漏れが指摘される財産の約3割が預貯金関連であり、その多くが名義預金です。追徴課税のリスクが非常に高い項目です。

名義預金とは?

名義預金とは、口座の名義人と実際の資金の所有者が異なる預金のことです。例えば、親が子供や孫の名前で口座を作り、そこに自分のお金を預けている場合、それは「名義預金」にあたります。

📝 よくある名義預金のパターン
  • 親が子供名義の口座に毎年お金を移しているが、子供に知らせていない
  • 祖父母が孫名義の口座を作成し、通帳と印鑑を祖父母が管理
  • 夫が妻名義の口座に「へそくり」として貯金している
  • 専業主婦の妻名義の口座に多額の預金がある

名義預金と判定される4つの基準

税務署は以下の4つの点から、ある口座が名義預金かどうかを判定します。

1

資金の出所(原資)

口座に入金されたお金は誰のお金か?名義人本人の収入や財産から出ていなければ、名義預金と判定される可能性が高くなります。

2

口座の管理・運用者

通帳・印鑑・キャッシュカードを誰が管理しているか?名義人本人が自由に引き出せない状態であれば、名義預金とみなされます。

3

名義人の認識

名義人本人が口座の存在を知っているか?子供や孫が口座の存在すら知らない場合、贈与は成立していないと判断されます。

4

贈与の事実

贈与を行った記録(贈与契約書など)があるか?口頭だけの贈与で証拠がない場合、名義預金と認定されるリスクが高まります。

名義預金が発覚した場合のリスク

リスク 内容
相続財産への加算 名義預金は被相続人の財産として相続税の課税対象になる
過少申告加算税 本来の税額に対して10〜15%の加算税
重加算税 仮装・隠蔽と判断された場合は35〜40%の重加算税
延滞税 納付期限の翌日から日割りで発生(年2.4〜14.6%

名義預金とみなされないための5つの対策

1

贈与契約書を毎年作成する

贈与者と受贈者が署名・押印した贈与契約書を毎年作成しましょう。日付・金額・当事者を明記します。

2

受贈者本人の口座に振り込む

現金手渡しではなく、銀行振込で記録を残すことが重要です。「〇〇からの贈与」とわかる形にします。

3

通帳・印鑑を受贈者本人が管理

口座の通帳・印鑑・キャッシュカードは名義人本人が管理し、自由に使える状態にしておきます。

4

受贈者に贈与の事実を認識させる

子供や孫に「贈与した」ことをきちんと伝え、本人が口座の存在を認識している状態にします。

5

110万円を超える場合は贈与税を申告

あえて110万円を少し超える金額を贈与し、贈与税の申告を行うことで「贈与が成立している」ことを税務署に明示できます。

よくある質問

Q. 名義預金に時効はある?

名義預金には時効はありません。そもそも贈与が成立していないため、贈与税の時効(原則6年)は適用されません。何十年前に作った口座でも、相続発生時に名義預金と判断されれば課税対象になります。

Q. 専業主婦のへそくりも名義預金?

なる可能性があります。専業主婦で夫の収入から生活費をやりくりして貯めた「へそくり」であっても、その原資が夫の収入である場合、夫の相続財産(名義預金)と認定される可能性があります。

Q. 子供名義の学資保険は大丈夫?

学資保険の保険料を親が支払っている場合、満期金は「名義預金」に近い扱いを受ける場合があります。ただし保険契約の種類や受取人の設定により取り扱いが異なるため、個別の確認が必要です。

まとめ

📌 名義預金対策のポイント
  • 名義預金は税務調査で最も指摘される項目
  • 判定基準は資金の出所・管理者・名義人の認識・贈与記録の4点
  • 名義預金と認定されると追徴課税+加算税のリスク
  • 対策は贈与契約書・振込記録・本人管理の3つを徹底
  • 名義預金に時効はない(贈与が不成立のため)

名義預金の問題は、相続が発生してからでは対策が取れません。生前のうちに適切な贈与手続きを行うことが重要です。

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