配偶者も子もいない「おひとりさま」の相続は、一般的な相続とは異なる特有の問題があります。
法定相続人がいない場合、財産は最終的に国庫に帰属します。大切な財産を希望通りに残すための対策を解説します。
おひとりさまの法定相続人は?
配偶者・子がいなくても、以下の順位で法定相続人がいる場合があります。
| 順位 | 相続人 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 子(直系卑属) | おひとりさまの場合は通常なし |
| 第2順位 | 父母・祖父母(直系尊属) | ご高齢の場合は既に他界していることも |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 兄弟姉妹が先に亡くなっていれば甥・姪が代襲 |
⚠️ 法定相続人が誰もいない場合
父母も兄弟姉妹も(その子である甥・姪も)いない場合、法定相続人は不在となります。この場合、特別な手続きを経て、最終的に財産は国庫(国のもの)となります。
法定相続人がいない場合の流れ
📋 相続財産清算人の選任〜国庫帰属まで
- 利害関係人等の申立てにより、家庭裁判所が相続財産清算人を選任
- 相続財産清算人が相続人の捜索公告(6ヶ月以上)を実施
- 公告期間内に相続人が名乗り出なければ、相続人不存在が確定
- 特別縁故者の申立て(3ヶ月以内)→ 認められれば財産分与
- 残った財産は国庫に帰属
おひとりさまがやるべき4つの対策
1. 遺言書を作成する
最も重要な対策。遺言書があれば、法定相続人以外の人(友人・NPO・慈善団体等)に遺贈できます。公正証書遺言が確実です。
2. 遺言執行者を指定する
遺言書で遺言執行者(弁護士等)を指定しておくと、自分の死後にスムーズに手続きを進めてもらえます。
3. 任意後見契約を結ぶ
判断能力が低下した場合に備え、任意後見契約を元気なうちに結んでおけば、財産管理や身上監護を委任できます。
4. 死後事務委任契約を結ぶ
葬儀の手配・役所への届出・住居の片付けなど、死後の事務手続きを生前に第三者に委任する契約です。
「特別縁故者」制度
法定相続人がいない場合でも、被相続人と特別の縁故があった人は、家庭裁判所に申し立てることで財産の全部または一部を受け取れる場合があります。
| 認められやすい例 | 備考 |
|---|---|
| 生計を同じくしていた内縁の配偶者 | 事実婚パートナー |
| 療養看護に努めた人 | 長年介護していた人 |
| その他特別の縁故があった人 | 親しい友人や恩人など |
おひとりさまの相続税
💡 基礎控除が少なくなる点に注意
相続税の基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人数
法定相続人がいなければ基礎控除は3,000万円のみ。兄弟姉妹1人だけでも3,600万円に。遺贈を受ける人には2割加算が適用されることが多い点にも注意。
まとめ
📌 おひとりさまの相続 ポイント
- 配偶者・子なしでも親や兄弟姉妹が法定相続人になりうる
- 法定相続人がゼロなら財産は国庫へ
- 遺言書が最も重要な対策(遺贈で自由に分配可能)
- 任意後見+死後事務委任契約で死後の手続きも安心
- 元気なうちに早めの準備が鍵