「親が株式投資をしていたはずだが、どこの証券会社に口座があるかわからない…」
相続が発生した際、被相続人がどの証券会社に口座を持っていたかを調べることは、財産調査の重要なステップです。
証券口座を調べる3つの方法
まず最も手軽な方法として、自宅にある書類を探します。
- 取引報告書・残高報告書:証券会社から定期的に送付される書面
- 配当金通知書:株式の配当があれば届いている可能性
- 株主総会の招集通知:株主であれば毎年届く
- ネット証券のメール:メールアドレスがわかればメールボックスを確認
- 確定申告書の控え:株式譲渡所得の申告があれば証券会社名が記載
証券保管振替機構(ほふり・JASDEC)に「登録済加入者情報の開示請求」を行うことで、被相続人が口座を開設していたすべての証券会社を特定できます。
これが最も確実で網羅的な方法です。
被相続人が利用していた可能性のある証券会社がわかっている場合、直接問い合わせることもできます。
- メインバンク系の証券会社(銀行から紹介されることが多い)
- 大手対面証券(野村證券、大和証券、SMBC日興証券など)
- ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)
ほふり(証券保管振替機構)への照会手順
開示請求書の入手
ほふりのWebサイトから「登録済加入者情報 開示請求書」をダウンロードします。
必要書類の準備
以下の書類を揃えます。
- 開示請求書(所定用紙)
- 被相続人の死亡がわかる戸籍謄本
- 請求者が相続人であることを証明する戸籍謄本
- 請求者の本人確認書類のコピー(運転免許証・マイナンバーカード等)
- 手数料(1件あたり税込6,050円)の定額小為替
郵送で提出
必要書類を証券保管振替機構に郵送します。
結果の受領
通常1〜2週間で回答が届きます。口座のある証券会社名が一覧で通知されます。
照会の費用
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| ほふりへの開示請求手数料 | 6,050円(税込・定額小為替で支払い) |
| 戸籍謄本の取得費用 | 1通 450円程度 |
| 郵送料 | 数百円 |
証券口座が見つかったら
証券口座が特定できたら、各証券会社に「相続手続き」を申し出ます。
- 証券会社に相続の連絡:口座名義人の死亡を届出
- 残高証明書の発行依頼:相続税申告に必要な死亡日時点の評価額を取得
- 相続人の証券口座を開設:同じ証券会社で口座を開設(移管先として必要)
- 遺産分割協議書の提出:誰がどの銘柄を取得するか決定後に提出
- 名義変更(移管):被相続人の口座から相続人の口座へ株式を移管
注意すべきポイント
証券会社に相続の連絡をすると、口座が凍結されます。凍結中は売買ができなくなるため、株価が大きく変動するリスクがあります。
急いで売却したい場合は、遺産分割協議を早めに完了させましょう。
- 上場廃止になった株式:信託銀行の「特別口座」に移されている可能性
- 端株(1株未満の株式):株式分割などで生じた端株は見落としがち
- NISA口座:非課税期間中でも相続税の対象になる
よくある質問
Q. ほふりの照会で投資信託も調べられる?
調べられます。ほふりは株式だけでなく、投資信託や社債の保管も行っているため、これらの口座も照会結果に含まれます。
Q. 外国株式はどうやって調べる?
日本の証券会社を通じて購入した外国株式は、ほふりの照会で判明する証券会社に確認すれば特定できます。ただし、海外の証券会社に直接口座を開設していた場合は、別途調査が必要です。
Q. 暗号資産(仮想通貨)も同じ方法で調べられる?
調べられません。暗号資産はほふりの管轄外です。メールや取引履歴、確定申告書などから取引所を特定する必要があります。
まとめ
- まず自宅の書類・メールを確認
- 最も確実なのはほふり(証券保管振替機構)への照会
- 費用は6,050円、回答まで1〜2週間
- 口座特定後は残高証明書の取得と名義変更手続き
- 相続連絡後は口座凍結されるため売買不可
有価証券の調査・相続手続きは複雑で、特に銘柄が多い場合や複数の証券会社に分散している場合は専門家のサポートが有効です。