一問一答・よくある質問Q&A

モラハラ・不貞行為における法的対応と2026年改正民法を見据えた実務解説

大阪弁護士会所属 弁護士 井上正人 監修

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、民法第763条(協議離婚)、第770条(裁判離婚)、第768条(財産分与)、2026年改正民法(共同親権・法定養育費)の規定および多数の離婚・親権・財産分与の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q モラハラや不貞行為に悩む被害者が弁護士に依頼すべき理由と、2026年改正民法を見据えた解決へのアプローチは何ですか?
A 【法的判断基準と解決アプローチ】モラハラや不貞行為は民法上の法定離婚事由に該当する重大な背信行為であり、精神的苦痛に対する慰謝料請求や適正な財産分与、さらに2026年改正民法で導入される共同親権や法定養育費のルールを見据えた正確な法的判断と証拠収集が不可欠です。
【弁護士による交渉・調停のメリット】法律実務に精通した弁護士が被害者に寄り添い徹底的に証拠を固めることで、配偶者との直接交渉や離婚調停を有利に進め、依頼者の精神的平穏と正当な権利を確保することが可能となります。

離婚や夫婦間のトラブルにおいて、モラハラ(精神的DV)や不貞行為(浮気・不倫)は、被害者の心身を深く傷つける重大な問題です。しかし、家庭内の問題だからと周囲に相談できず、一人で悩みを抱え込んでしまう方が後を絶ちません。

法律実務においては、こうした理不尽な苦しみに直面している依頼者の声に真摯に耳を傾け、法的手段を用いた徹底的な解決を図ることが重要です。本記事では、不当なモラハラや不貞行為に対して法律実務家が厳しく対処する理由と、その背景にある法的正義、そして2026年改正民法を踏まえた具体的な解決アプローチについて詳しく解説します。

なぜ理不尽なモラハラ・不貞を許してはならないのか

夫婦関係は、お互いの信頼と尊厳の上に成り立っています。しかし、日常的な暴言や無視、経済的な圧迫によって相手を支配しようとするモラハラや、背信行為である不貞行為は、その信頼関係を根本から破壊するものです。

精神的平穏と個人の尊厳を取り戻すために

モラハラ被害に遭われている方の多くは、「自分が悪いのではないか」「自分が我慢すれば丸く収まるのではないか」という誤った罪悪感を植え付けられています。また、不貞行為の被害者は、裏切られたショックから深い精神的苦痛に苦しみます。

法律の力を用いてこれらの加害行為に明確な「No」を突きつけることは、被害者が失われた自信や個人の尊厳を取り戻し、未来への一歩を踏み出すために不可欠なプロセスです。 法的手段による解決の目的は、単に金銭的な賠償を獲得するためだけでなく、依頼者の人生の主導権を取り戻すことにあります。

泣き寝入りを防ぎ、不法行為に対する正当な責任追及を

不貞行為や悪質なモラハラは、民法上の不法行為(民法709条)に該当します。加害者が自身の行為の重さを自覚せず、責任逃れを続ける姿勢を見せることは、被害者にとって二重の苦しみとなります。法的証拠を緻密に積み上げ、相手方に法的責任を逃れられない形で突きつけることで、正当な慰謝料請求や適正な離婚条件を実現することが求められます。

2026年改正民法を見据えた離婚・財産分与の実務

離婚実務を取り巻く法制度は、近年の法改正によって大きな転換期を迎えています。特に2026年に施行される改正民法や関連法制においては、子どもの利益の保護や、夫婦間の公平な財産清算に関するルールがより明確化されています。

共同親権制度導入に伴う子の利益の確保

2026年改正民法における最大の注目点は、離婚後の「共同親権」の選択肢が導入されたことです。これにより、離婚後も父母双方が子どもの養育に関する重要事項について共同で責任を持つことが原則となります。

しかし、モラハラ気質の配偶者がいる場合、共同親権を安易に選択することで、離婚後も支配や干渉が継続し、かえって監護親や子どもの精神的平穏が脅かされる危険性があります。

  • モラハラ事案における「単独親権」の主張と、その必要性の立証
  • 面会交流の実施方法における厳格なルールの策定(第三者機関の利用や受渡し場所の指定)
  • 子どもの意向やこれまでの主たる監護実績を重視した裁判所へのアプローチ

法律の専門家は、単に法律の条文を適用するだけでなく、家庭内の力関係やモラハラの特殊性を裁判所に正確に理解させ、子どもの最善の利益を守るための戦略的な主張を展開します。

財産分与と慰謝料の適切な切り分け

離婚時の財産分与(民法768条)は、婚姻期間中に築いた共有財産の清算を行います。これに加え、不貞行為やモラハラによる精神的苦痛に対する「離婚慰謝料」は別個に請求することが可能です。

実務上は、以下のような複雑な財産問題に対する法的な精査が求められます。

  • 特有財産(婚姻前の財産や相続財産)と共有財産の厳格な切り分け
  • 隠し財産やモラハラ配偶者による勝手な資産処分の調査・保全手続き
  • 退職金や将来の年金分割に関する適正な算定

徹底した証拠収集と金融機関への調査嘱託などを活用し、依頼者が受け取るべき正当な財産と慰謝料を確実に確保することが実務上重要となります。

離婚事件における専門的な相談体制と解決に向けた方針

離婚や夫婦間のトラブルに直面したとき、どのような法的支援を受けるかによって、その後の人生の行方は大きく変わります。事件処理にあたっては、以下のような徹底した配慮が求められます。

プライバシーに配慮した面談スペースと丁寧なヒアリング

相談者が抱える苦しみや屈辱は、他人に簡単に打ち明けられるものではありません。専門的な相談窓口においては、プライバシーを厳守した環境のもと、じっくりと話を伺う体制が整えられています。小さな事実の積み重ねが、裁判や示談交渉における強力な武器となるため、些細なことでも安心して話せる環境づくりが重要です。

妥協のない交渉力と裁判闘争力

相手方がモラハラ体質である場合、話し合いによる解決(協議離婚)が極めて難航するケースが少なくありません。調停や裁判に移行した際にも、感情論に終始することなく、客観的な証拠と法的な論理構成をもって毅然と対応します。

依頼者の平穏な日常を取り戻すため、いかなる困難な事件であっても妥協せず、法的正義に基づき粘り強く対応することが求められます。

まとめ:理不尽な現状から抜け出すために

モラハラや不貞行為に悩む日々は、貴重な時間とエネルギーを奪い続けます。「子どものために我慢しなければ」「自分が耐えればいい」と思い詰める必要はありません。

法的な知識と確かな経験を持つ専門家を味方につけることで、状況は確実に変えることができます。専門的な相談窓口や弁護士などの法律実務家に相談し、法的な正義に基づいた最善の解決策を模索することが推奨されます。理不尽な状況から抜け出し、新たな一歩を踏み出すために、まずは専門的な判断を仰ぐことが大切です。