家族カードのポイントの財産分与|クレジットカードに溜まったポイントの処理

クレジットカードのポイントは財産分与の対象になるか

離婚の際の財産分与において、預貯金や不動産、保険の解約返戻金などは代表的な対象財産ですが、近年問題になりやすいのが「クレジットカードのポイント」です。特に、婚姻期間中に生活費の支払いで貯まった大量のポイントやマイルは、実質的な経済的価値を持つため、財産分与の対象になるかが議論されます。

原則としての財産分与対象

婚姻期間中に夫婦の協力によって取得した財産は、名義のいかんを問わず共有財産として財産分与の対象となります。したがって、クレジットカードのポイントであっても、生活費や家族の支出によって獲得したものであれば、原則として財産分与の対象となり得ます。

ポイントの金銭的価値の算定

ポイントを財産分与の対象とする場合、その価値をどのように算定するかが課題となります。「1ポイント=1円」として明確に換算できるものであれば計算は比較的容易ですが、商品交換限定のポイントや、航空会社のマイルのように利用方法によって価値が変動するものの場合は、金銭的評価が難しくなります。

家族カード特有の問題点と名義

クレジットカードの中でも、配偶者が「家族カード」を使用している場合は、ポイントの扱いに特有の問題が生じます。

規約上のポイント帰属と第三者譲渡の禁止

ほとんどのクレジットカード会社の会員規約において、ポイントは「本会員(主たるカード名義人)」に付与されるものと定められています。また、規約上、ポイントの第三者への譲渡を禁止していることが一般的です。そのため、たとえ配偶者が家族カードで決済をして貯めたポイントであっても、カード会社に対する関係では本会員のものとして扱われます。

名義人(本会員)へのポイント集約

家族カードの利用で発生したポイントは本会員のアカウントに集約されるため、離婚に伴い家族カードを解約すると、家族カードを持っていた側はポイントに一切アクセスできなくなります。このため、別居や離婚を切り出す前に、ポイントの残高を確認しておくことが重要です。

実務上の具体的なポイント処理・分割方法

カード会社の規約上、ポイントそのものを半分に分割して別のアカウントへ譲渡することは原則としてできません。そのため、実務上は以下のような代替的な方法で清算を行います。

商品や商品券への交換による分割

ポイントを商品券、ギフトカード、または電子マネーなどに交換し、それを物理的に分割する方法です。この方法であれば、カード会社の規約に抵触することなく、夫婦間で公平に分配することが可能です。

相当額を金銭で精算する方法

ポイントの残高を金銭に換算し、ポイントを保持する側(本会員)が、他方配偶者に対してその半額相当を現金で支払う方法(代償分割)です。他の預貯金や財産の分与額を調整する形で精算を行うのが最も現実的でスムーズな解決策といえます。

ポイントの基準時(別居時か離婚時か)

財産分与の基準時は、原則として「別居時」とされています。別居後に取得した財産は、夫婦の協力関係が及んでいないため、共有財産には含まれません。

別居時を基準とする考え方

クレジットカードのポイントも同様に、別居時におけるポイント残高が財産分与の対象となります。別居後に本会員が個人的な決済で得たポイントは分与の対象外です。また、別居後に本会員がポイントを消費してしまった場合でも、別居時の残高をもとに清算を求めることができます。

まとめ:ポイントの処理は早めの協議が重要

クレジットカードのポイントやマイルは、長期間の生活費決済などで高額な価値になっているケースも少なくありません。しかし、規約による譲渡禁止や価値の評価の難しさなど、現金とは異なる特有の難しさがあります。離婚協議の際には、ポイントの存在を見落とさず、別居時の残高をスクリーンショット等で証拠として残した上で、金銭的な精算方法について早めに話し合うことをお勧めします。

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