共同親権の拒否と単独親権を求める基準|DVやモラハラを理由に共同親権を拒絶できる?

離婚後の親権制度の動向と「共同親権」

日本の民法改正により、離婚後の子どもの親権について、従来の「単独親権」のみの制度から、父母の双方が親権を持つ「共同親権」を選択できる制度への移行が進められています。 共同親権は、離婚後も両親が共に子育てに関わり、子どもの成長を見守るという理念に基づいています。しかし、すべてのケースで共同親権が適切であるとは限りません。

特に、配偶者からのDV(ドメスティック・バイオレンス)や虐待、深刻なモラハラが存在したケースでは、共同親権を選択することが被害者や子どもにとって多大な危険と精神的苦痛をもたらす可能性があります。

DVやモラハラがある場合の親権の考え方

共同親権を導入するにあたっても、法整備においては「子の利益」が最優先されます。父母間に強い対立があり、共同して親権を行使することが子どもの心身に悪影響を及ぼす場合や、DV・虐待の恐れがある場合には、裁判所の判断によって「単独親権」が指定されることになります。 つまり、DVやモラハラの被害者は、正当な理由に基づいて共同親権を拒否し、単独親権を求める法的権利を有しています。

単独親権を獲得するための基準と必要な対応

DVやモラハラを理由に相手方との共同親権を拒絶し、自身が単独親権者となるためには、相手方の問題行動を客観的に証明し、裁判所に「共同親権は子の利益に反する」と認めさせる必要があります。

DV・虐待・モラハラの客観的証拠の確保

単に「暴力を振るわれた」「暴言を吐かれた」と主張するだけでは、裁判所は容易に事実を認定してくれません。以下のような客観的な証拠を集めることが極めて重要です。

  • 医師の診断書: 暴力による怪我の診断書や、モラハラによる精神疾患(うつ病など)の診断書。
  • 写真や録音・録画データ: 負傷箇所の写真、壊された物の写真、暴言や威圧的な態度の録音データ。
  • 公的機関への相談記録: 警察への被害届や相談履歴、配偶者暴力相談支援センターや児童相談所への相談記録。
  • 日記やメモ: 日常的なモラハラの発言や暴力の状況を、日付とともに詳細に記録した継続的なメモ。

「子の利益」に基づく主張

親権の決定において最も重視されるのは「どちらを親権者とすることが子どもの幸福(子の利益)に繋がるか」という点です。 DVやモラハラ加害者との関わりが継続することが、子どもにどのような精神的悪影響(面前DVによるトラウマなど)を及ぼすかを具体的に主張する必要があります。同時に、自身が子どもに安定した生活環境と愛情を提供できる監護能力があることを示さختیれません。

専門家の介入による安全の確保

DVやモラハラが関わる離婚・親権問題では、当事者同士での直接の話し合いは極めて危険であり、さらなる被害を招く恐れがあります。 相手との接触を避け、安全を確保しながら単独親権を勝ち取るためには、早期に弁護士に依頼することが不可欠です。弁護士が窓口となることで、相手方との直接交渉を遮断し、保護命令(接近禁止命令など)の申し立てや、裁判所での法的な主張を適切に進めることが可能となります。

こちらの記事も読まれています