一問一答・よくある質問Q&A

2026年民法改正(共同親権・法定養育費・財産分与5年)のポイントと法的対策

大阪弁護士会所属 弁護士 井上正人 監修

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、民法第763条(協議離婚)、第770条(裁判離婚)、第768条(財産分与)、2026年改正民法(共同親権・法定養育費)の規定および多数の離婚・親権・財産分与の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q 2026年の民法改正(共同親権・法定養育費・財産分与5年)で離婚や子どもの親権はどう変わりますか?弁護士に相談するメリットは何ですか?
A 【2026年改正の法的ポイント】2026年施行の改正民法では、離婚後の「共同親権」の選択肢が導入されるほか、話し合いがつかない場合の「法定養育費」の新設、そして財産分与の請求期間の変更が行われます。これらは法的に正しく運用することで、正当な権利を守るための法的根拠となります。
【専門家による解決サポート】個別の事情に応じた共同親権の妥当性判断や、新設された法定養育費・財産分与の確実な確保にあたっては、法テラスや弁護士会、家事事件の実務に精通した弁護士等の専門的な支援を受けることが推奨されます。

2026年民法改正がもたらす離婚実務の大きな転換点

離婚を検討されている方、あるいはすでに別居や調停を進めている方にとって、2026年に施行される新しい民法は重要な関心事です。ニュースやインターネットでは「共同親権が始まる」「養育費のルールが変わる」「財産分与の期間が変わる」といった情報が流れ、今後の手続きや生活に不安を抱える方も少なくありません。

離婚問題や法的手続きに関連する実務の現場では、法改正に関する相談が数多く寄せられています。2026年の法改正は、社会の多様な実情に合わせ、より公平で実効性のある解決を導くための法制度の整備として位置づけられています。

この記事では、主要な3つの改正ポイントについて、法律実務の視点から客観的に解説します。

共同親権の導入と「子の利益」を守るための法的検討事項

2026年改正の象徴的な変更点が、離婚後における「共同親権」の選択肢の導入です。これまで原則として単独親権とされていた我が国の法制度において、父母双方が親権を持つことが可能になるという点は、離婚後の子育てのあり方に関わる大きな変更となります。

共同親権を選択する場合の注意点

父母の話し合いによって円満に共同親権を選択できるケースでは、離婚後も双方が協力して子どもの養育に関わることが想定されます。しかし、DVやモラハラ、あるいは深刻な意見の対立が存在する関係性において、共同親権の適合性については慎重な判断が求められます。

法律上、子どもの利益を最優先に考慮し、協議が調わない場合には裁判所が単独親権とするか共同親権とするかを判断することになります。家庭裁判所の手続きにおいては、個別の家庭環境や安全性を考慮した的確な主張と立証が重要となります。

監護者指定と面会交流の重要性

共同親権が導入されたとしても、日常的な世話をする「監護者」をどちらにするかという問題や、離れて暮らす親と子どもとの面会交流についての取り決めは引き続き不可欠です。

法改正の制度趣旨を踏まえ、「どのように子どもを守るか」という観点から、専門的な知見に基づいて適切に対応することが重要となります。

法定養育費の新設による未払い問題への法的アプローチ

離婚における長年の課題であった「養育費の未払い」に対し、2026年の法改正では一定の基準に基づく「法定養育費」の仕組みが整備されることとなりました。これにより、離婚時の取り決めが曖昧であった場合や、支払いに争いがある場合であっても、法律上の根拠に基づいた請求手続きの道が開かれています。

  • 養育費の算定における透明性の向上:標準的な算定基準がより明確化され、不当な減額主張に対する法的判断が行いやすくなります。
  • 差押え手続きの合理化:未払いが発生した際の執行手続きの見直しが行われ、実効性の確保が図られます。
  • 取り決めの強制力強化:離婚協議書を公正証書にするなど、将来の履行を担保するための法的準備の重要性が増しています。

養育費は子どもの健やかな成長のための権利です。新法が用意する法的セーフティネットの仕組みを理解し、適切に権利行使を行うことが求められます。

財産分与の請求期間変更と実務上の対策

財産分与は、婚姻期間中に夫婦で築き上げた財産を公平に清算する、離婚時における重要な手続きです。2026年改正民法では、この財産分与を請求できる期間について見直しが行われています。

これまでの法律では、離婚が成立した時から原則として「2年」以内とされていましたが、法改正により期間に関する見直しや整備が進められています。

期間変更がもたらす影響と注意点

請求期間に関する見直しにより、離婚直後の混乱で財産調査まで手が回らなかった場合や、相手方による財産隠しが後から判明した場合であっても、適切に対応できる余地が広がります。

ただし、法的な期間制限がある場合でも、時間の経過とともに預貯金の口座履歴の開示が難しくなったり、不動産の価値変動や資産の処分が進んでしまったりするリスクは存在します。

  • 速やかな財産リストの作成:離婚前後の段階で、預貯金、不動産、保険、有価証券、退職金などの資料を可能な限り確保することが重要です。
  • 調査権限の活用:弁護士会照会(弁護士法第23条の2に基づく照会)や裁判所の調査嘱託などの法的手段を用い、資産の存否を確認する手続きがあります。
  • スケジュール管理:法的な期間内であっても、具体的な手続きは速やかに進めることが推奨されます。

新しい法律を踏まえた適切な法的対応に向けて

2026年民法改正(共同親権、法定養育費、財産分与に関する見直し)は、時代の変化に合わせて離婚法務のスタンダードを形作るものです。法制度の変更に直面した際は、正確な法的知識に基づいて自身の権利を把握することが重要となります。

法的な手続きや個別の事情に関する詳細な判断が必要な場合は、法テラス、弁護士会、あるいは家事事件の実務に精通した専門弁護士などの公的相談窓口や専門家へ相談することが推奨されます。客観的な法的アドバイスを受けることで、適切な解決に向けた道筋を検討することが可能となります。