2026年改正民法・共同親権

5年の請求期間を活用した「じっくり行う相手の資産追跡(23条照会)」

大阪弁護士会所属 弁護士 井上正人 監修

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、民法第763条(協議離婚)、第770条(裁判離婚)、第768条(財産分与)、2026年改正民法(共同親権・法定養育費)の規定および多数の離婚・親権・財産分与の実務実績に基づきわかりやすく解説しています。

Q: 5年の請求期間を活用した「じっくり行う相手の資産追跡(23条照会)」
A: 離婚後に財産分与を請求できる期間が「5年」に延長されたことにより、焦らず綿密な資産調査が可能になりました。夕陽ヶ丘法律事務所では、弁護士法第23条に基づく照会制度(23条照会)を活用し、相手の銀行口座、株式、生命保険、退職金の見込み額まで、独自のネットワークと法的手続きを駆使して徹底的に追跡します。相手が財産を隠蔽している場合でも、確実な証拠を収集して正当な取り分を取り戻すことが可能です。

離婚の話し合いを進める中で、最も大きなトラブルになりやすいのが財産分与です。これまでの法律では、離婚成立から2年という短い期間が財産分与の請求期限と定められていたため、相手が財産を巧妙に隠している場合や、離婚の精神的疲労から調査が追いつかないうちに時効を迎えてしまうケースが後を絶ちませんでした。

しかし、近年の法改正により財産分与の請求期間が5年へと延長されました。この法改正は、離婚を経験された方々にとって非常に大きなメリットをもたらします。今回は、この5年の請求期間を最大限に活用し、弁護士の23条照会を用いて相手の隠し財産を徹底的に暴く手法について、夕陽ヶ丘法律事務所の専門弁護士が詳しく解説します。

離婚後の財産分与における「5年」の重みとメリット

従来の2年という期限は、離婚直後の慌ただしい時期と重なっており、じっくりと相手の資産状況を調査するにはあまりにも短い時間でした。

  • 精神的な負担の軽減:離婚直後は生活の立て直しや子どものケアで手一杯になりがちですが、5年あれば少し生活が落ち着いてから冷静に財産調査を始められます。
  • 隠し財産への対抗:相手が意図的に預貯金を引き出したり、不動産や株式の名義を変えたりして財産隠しを行っている場合でも、時間をかけて足取りを追うことができます。
  • 複雑な資産の評価:自営業者の事業用資産や複雑な有価証券、将来受け取る退職金の見込み額など、専門的な評価が必要な財産についても、じっくりと精査するゆとりが生まれます。

このように、期間が5年に延びたことは、財産分与において泣き寝入りせざるを得なかった人々を救う強力な法的後ろ盾となります。

弁護士会照会(23条照会)とは何か

「相手が自分の口座の残高を教えてくれない」「どの銀行に預金があるかすら分からない」という相談をよくお受けします。個人の力では、たとえ元夫婦であっても他人の金融資産のデータを引き出すことは不可能です。

そこで強力な武器となるのが、弁護士法第23条に基づく弁護士会照会(23条照会)です。

23条照会の仕組みと強力な効力

弁護士会照会は、弁護士が受任している事件の調査のために、所属する弁護士会を通じて官公庁や企業(銀行、証券会社、生命保険会社、携帯電話会社など)に対して必要な情報の提供を求める制度です。

  • 金融機関への照会:相手が利用していそうな銀行や支店を特定し、過去の口座残高や婚姻中の入出金履歴を調査できます。
  • 生命保険の解約返戻金:相手が加入している生命保険の種類や、現時点での解約返戻金の額を明らかにできます。
  • 勤務先を通じた退職金調査:将来の退職金についても、現在の勤続年数に基づいた退職金規程上の支給見込み額を算出することが可能です。

この照会には、照会を受けた側(金融機関など)も正当な理由がない限り回答する義務があり、法的な裏付けに基づいた極めて精度の高い調査が可能になります。

じっくり行う相手の資産追跡の4ステップ

5年の請求期間と23条照会を組み合わせることで、どのような手順で資産追跡を進めていくのか、その具体的な実務の流れを解説します。

ステップ1:保有資産の「あたり」をつける

まずは、婚姻期間中に共有していた家計の状況を振り返ります。通帳のコピー、確定申告書、源泉徴収票、クレジットカードの明細、郵送されてきたダイレクトメールなどを可能な限り集めます。 「ここに口座があるかもしれない」「この証券会社で株取引をしていたようだ」といった手掛かりを洗い出し、調査のターゲットを絞り込んでいきます。

ステップ2:弁護士による受任と23条照会の実行

夕陽ヶ丘法律事務所にご依頼いただいた後は、弁護士が代理人として前面に立ち、目星をつけた金融機関や保険会社に対して23条照会を順次発動します。 相手が財産を隠そうとして口座を解約していたとしても、過去の取引履歴から別の口座への資金移動(財産隠しのための送金)が発覚することが多々あります。

ステップ3:資金移動の追跡と「隠し財産」の特定

一つの口座を調べると、そこから別の銀行口座や親族名義の口座へお金が動いている形跡が見つかることがあります。 23条照会では、こうした資金の移動先を芋づる式に追跡することが可能です。「お金がどこに消えたのか」を時系列で明らかにすることで、相手の巧妙な隠蔽工作を暴き出します。

ステップ4:協議・調停・訴訟を通じた適正な財産分与の実現

集めた客観的な証拠をベースに、相手に対して適正な財産分与を請求します。相手がしらを切ったとしても、銀行の回答書や取引履歴という動かぬ証拠があるため、調停や裁判においても極めて有利に交渉を進めることができます。

財産分与の請求において弁護士に依頼するメリット

離婚問題は感情的になりやすく、当事者同士で話し合うと「言った・言わない」の水掛け論に発展してしまいがちです。特に資産の隠蔽が疑われるケースでは、個人での対応には限界があります。

  • 法的な強制力を持った調査:23条照会や、裁判所を通じた文書提出命令などの法的手続きを駆使し、自力では絶対に手に入らない証拠を収集できます。
  • 心理的負担からの解放:憎しみや不信感のある相手と直接連絡を取る必要がなくなるため、精神的なストレスを大幅に軽減できます。
  • 時効(5年)の管理:いつまでにどの手続きを行うべきか、正確なスケジュール管理を行い、大切な権利が消滅してしまうリスクを防ぎます。

まとめ:焦らず、しかし着実に正当な権利を取り戻すために

離婚成立後に「実は相手が隠し財産を持っていたのではないか」と不安に感じている方にとって、法改正による5年の請求期間は大きな希望となります。

しかし、5年という時間は長いようでいて、複雑な資産調査や裁判手続きを行うには決して十分すぎる時間ではありません。時間が経てば経つほど、金融機関のデータ保存期間が過ぎてしまい、追跡が難しくなるリスクも高まります。

夕陽ヶ丘法律事務所では、プライバシーに配慮した落ち着いた相談ブースをご用意し、あなたのこれまでの歩みとこれからの生活をしっかりとサポートいたします。「相手の財産がどこにあるか分からない」「離婚から時間が経っているが今からでも間に合うか」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ一度当事務所の弁護士にご相談ください。あなたの正当な権利を取り戻すため、最適な法的アプローチをご提案いたします。

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