2026年の民法改正により、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の選択が可能となりました。これにより、子どもの養育に関する父母の関わり方には大きな変化が生まれています。
一方で、よくある誤解として「共同親権になれば、面会交流の回数や時間は自動的に増えるのか」「相手の許可なくいつでも子どもに会えるのか」というご相談を多くいただきます。結論から申し上げますと、共同親権制度と面会交流(親子交流)の取り決めは別個の法的手続きであり、ルールなしに自由な接触が認められるわけではありません。
この記事では、共同親権下における面会交流の基本的な考え方、具体的な回数・実施ルールの決め方、そしてトラブルになった際の法的対処法について、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
共同親権と面会交流(親子交流)の基本関係
まず理解しておかなければならないのは、共同親権の導入と面会交流の権利・義務は並行して存在するという点です。
共同親権であっても具体的なルールが必要
父母の双方が親権者(共同親権)となった場合でも、別居している親と子どもがどのように会うかについては、別途具体的な取り決めを行う必要があります。
- 親権者であるからといって、同居していない親がいつでも自由に子ども連れ去ったり、相手の生活圏にアプローチしたりすることは許されません。
- 子どもの生活リズムや精神的安定を守るため、日時、場所、受け渡しの方法などを明確に書面で取り決めることが実務上不可欠です。
法律が最優先する「子どもの利益(福祉)」
家庭裁判所や法律が面会交流の可否、回数、方法を決定する際、最も重視する基準は「子どもの利益(福祉)にかなうかどうか」です。
親側の「子どもに会いたい」「親権者としての権利を行使したい」という感情面よりも、子どもの年齢、心身の健康状態、これまでの監護状況、そして何よりも子ども自身の意向が慎重に考慮されます。
面会交流の回数・実施ルールの一般的な決め方
離婚協議や家庭裁判所の調停・審判において、面会交流の具体的なルールはどのように設計されるのでしょうか。実際の法律実務における標準的な項目を見ていきましょう。
1. 面会交流の回数と時間
回数は、子どもの年齢や負担を考慮して柔軟に設定されます。
- 乳幼児期の場合:子どもの発育状況や愛着関係を考慮し、短時間・高頻度(例:月2回、1回あたり数時間、日中のみ)からスタートし、徐々に時間を延ばしていくケースが多く見られます。
- 学童期・思春期の場合:学校行事や部活動、習い事のスケジュールを優先し、月1回から月2回程度、場合によっては宿泊を伴う面会交流が認められることもあります。
2. 実施場所と受け渡しの方法
トラブルを防止するため、面会の場所や、子どもをどちらがどこで引き渡すのかを細かく規定します。
- 自宅での受け渡しを避け、双方にとって中立的な場所(駅、公共施設、あるいは民間・公的機関の面会交流支援機関)を指定することが推奨されます。
- 第三者機関を利用する場合、費用負担や予約の手順についても事前に取り決めておきます。
3. 連絡方法と情報の共有
共同親権のもとでは、子どもの進学、医療、重大なライフイベントについて父母間で協議する必要があります。面会交流の調整とあわせて、連絡手段(メール、専用アプリなど)や、写真・成績表などの定期的な情報共有のルールも定めておくと、その後の紛争を防ぐことに繋がります。
面会交流をめぐるトラブルと法的解決策
「相手が面会交流に応じてくれない」「約束の回数を守ってくれない」「逆に無理な要求をしてくる」といったトラブルは、共同親権の下でも発生し得ます。このような場合の法的な対処法を確認しておきましょう。
面会交流調停・審判の活用
当事者間の話し合いで面会交流の回数やルールがまとまらない場合、家庭裁判所に対して面会交流調停の申し立てを行います。
調停委員を介して、専門的な見地から双方の意見を調整し、子どもの福祉に最も適した合意点を探ります。調停不成立となった場合は、裁判官が審判を下し、具体的な面会交流の実施計画を強制的に定めます間接強制などの法的措置の前提としても、まずは調停・審判を経ることが一般的です。
正当な理由のない拒否に対するリスク
同居親が正当な理由なく面会交流を拒絶し続けた場合、法的な不利益を被る可能性があります。
- 裁判所から履行勧告や間接強制(金銭的ペナルティ)の対象となることがあります。
- あまりにも頑なに面会を拒み続ける姿勢が、子どもの健全な育成環境を害すると判断された場合、親権者の変更や監護者指定の申し立てにおいて不利な事情として考慮されるリスクがあります。
反対に、DVや児童虐待、あるいは子どもの心身に明確な悪影響があるといった「正当な理由」が認められる場合は、面会交流の制限や禁止が認められるケースもあります。
2026年改正民法を踏まえた弁護士からのアドバイス
2026年改正民法の施行により、離婚後の家族のあり方は多様化しています。共同親権という新しい枠組みが導入されたからこそ、感情的な対立ではなく、子どもの健やかな成長を第一に考えた冷静な話し合いが求められます。
面会交流の取り扱いは、個々の家庭の事情や子どもの年齢・性格によって千差万別です。「どのような回数やルールが適切なのか判断がつかない」「相手が話し合いに応じない」「約束が守られるか不安」といったお悩みをお持ちの方は、離婚・親権問題の豊富な解決実績を持つ弁護士にご相談ください。
夕陽ヶ丘法律事務所では、プライバシーに配慮した面談スペースをご用意し、ご相談者様一人ひとりの状況に寄り添ったきめ細やかなサポートを提供しております。まずはお気軽にお問い合わせください。
⚖️ 離婚・親権・財産分与・養育費のお悩みは夕陽ヶ丘法律事務所へ
「相手と直接話したくない」「親権や養育費を有利に進めたい」「適切な財産分与を受け取りたい」とお悩みの方へ。
相手方との直接交渉・調停・裁判手続きはすべて弁護士が代理し、あなたの新しい人生の再出発を全力で守ります。
- 初回相談料: 0円(30分無料・オンライン/お電話相談OK)
- 秘密厳守の徹底: プライバシーに配慮した相談ブース/非対面相談
- 親身な伴走: 協議交渉から家庭裁判所(調停・審判・訴訟)まで一貫サポート